第6 遺言の解釈
法律知識が十分でない一般の人が自筆証書遺言又は秘密証書遺言をした場合に、遺言の意味内容が不明確で確定できず遺言としての効力を生じない場合があります。そこで、遺言の意味内容を明確にする解釈が重要となります。最高裁判所昭和58年3月13日判決は、「遺言の解釈に当っては、遺言書の文言を形式的に判断するだけでなく、遺言者の真意を探究すべきであり、遺言書が多数の条項からなる場合にそのうちの特定の条項を解釈するにあたっても、単に遺言書の中から当該条項のみを他から切り離して抽出しその文言を形式的に解釈するだけでは十分ではなく、遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言書の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探究し当該条項の趣旨を確定すべきであると解するのが相当である」旨の遺言解釈の基準を示しています。遺言者は、折角作成する遺言書が意味内容が明確でないために紛争の種を残すことにならないように、十分に注意する必要があります。なお、自信がないときあるいは疑問があるときには、専門家である弁護士に相談するか、公正証書遺言を選択するのが相当でしよう。