(6) 遺言の執行
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(ロ)
遺言執行者
(a)遺言執行者とは
遺言執行者とは、相続開始後、遺言者にかわって遺言内容の実現を行う者のことをいいます。
遺言者は遺言で、1人または数人の遺言執行者を指定し、またはその指定を第三者に委託することができます。これを指定遺言執行者といいます。
指定遺言執行者が存在しないとき、または一度就職した遺言執行者が死亡その他の事由で存在しなくなったときは、家庭裁判所が利害関係人の請求によってこれを選任することができます。これを選定遺言執行者といいます。(b)指定遺言執行者
1)指定の方法
遺言執行者の指定は必ず遺言によらなければなりません。
遺言の内容、遺言の作成された経緯など、総合的に遺言執行者の指定がなされていると判断できれば足り、必ずしも遺言執行者という表示をする必要はありません。
指定の遺言が効力を生じても、指定された者には遺言執行者となるか否かについて諾否する自由があり、承諾後に遺言執行者となります。
指定者が遺言執行者への就任について回答を行わない場合、相続人その他の利害関係人は、相当の期間を定めてその期間内に承認するか否か回答するように催告することができ、期間内に回答しなかったときは遺言執行者への就任を承諾したものとみなされます。2)遺言執行者の資格
行為無能力者及び破産者は、遺言執行者となることができません。
相続人が遺言執行者となれるかについては争いがありますが、相続人の廃除のように相続人たる資格と相容れないような内容の遺言以外については、相続人を遺言執行者としても格別の不都合はありません。(c)選定遺言執行者
遺言執行者が遺言で指定されていないとき、または指定された遺言執行者が死亡等によりいなくなった場合は、利害関係人の請求によって、家庭裁判所で遺言執行者を選任することができます。
利害関係人とは、相続人、受遺者、これらの者の債権者または不在者財産管理人、相続債権者および相続財産管理人等を指します。
家庭裁判所は、遺言の内容から遺言の執行を必要と判断すれば、遺言執行者選任の審判を行います。選任の審判をするには、必ず候補者の意見を聴くこととなっています。(d)遺言執行者がすること
1)財産目録の調製
遺言執行者は、相続財産の目録を調製して相続人に交付します。
相続人の請求があるときは、その立会のもとに財産目録を調製し、もしくは公証人にこれを調製させなければなりません。公証人に財産目録を調製させる場合には、相続人の立会いが必要です。
財産目録調製の方式についてはとくに規定はありませんが、資産及び負債をともに掲げ、調製の日付を記載して、遺言執行者が署名するのが通常です。2)遺言の執行
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。
しかし、執行すべきことは遺言の内容によって異なり、すべての遺言執行者が同一の権限を有するわけではありません。イ.遺言認知
遺言で認知がなされている場合、遺言執行者は、就職の日から10日以内に戸籍上の届出をしなければなりません。
成年の子の場合にはその承諾、胎児の認知の場合にはその母の承諾、成年の直系卑属を残して死亡した子の認知の場合にはその直系卑属の承諾が必要ですが、この承諾を得ることも遺言執行者の職務です。ロ.相続人の廃除および廃除の取消
遺言による相続人の廃除および廃除の取消については、遺言執行者は家庭裁判所にその請求をなし、確定後に戸籍上の届出をする必要があります。
審判が確定するまでの間、遺言執行者は利害関係人として、家庭裁判所に対して、相続財産管理人の選任その他相続財産の管理に必要な処分を請求することができます。ハ.執行を要しない事項
相続分の指定及びその委託、特別受益者の相続分に関する意思表示、遺産分割方法の指定またはその委託、遺産分割の禁止については格別な執行を要しないとされています。
また、後見人の指定及び後見監督人の指定は、遺言の効力が発生すると同時に効力が生じ、戸籍上の届出も後見人、後見監督人がなすべきものとされています。(e)遺言執行者の解任・辞任
遺言執行者が任務を怠ったとき、その他正当な事由があるときは、利害関係人の請求によって、家庭裁判所は遺言執行者を解任することができます。
遺言執行者の側でも、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。
